長男二十歳の誕生日に三男の言葉をおもう

今日は長男の誕生日、ついに二十歳、成人になった。
なんだか夢みたいだ。
進学のために家を出て二年、あの甲高い声でニコニコおっとりと話をしていた長男はいなくなり、低い声で言葉少なく話す、でかい兄さんは今、学業にアルバイトにと忙しくも充実した日々を送っているのだろう。

ねえ、子供が成人したよ

父に報告したかった。直接。
五男の入学式の時にも、同じ事を思った。

何か節目のたびに、おじいちゃんがあと少し生きてたらって思っちゃうね

それを聞いた三男が

そうだけど、それだと次々にあと少し、あと少しって、ずっと生きてなきゃいけなくなっちゃうよ

聡い子だ。
長男に似て、がっしりした体格と、弱く見えるほど優しい心の三男。一番のおじいちゃん子だった。

父はいなくなって、子供たちは成長し、私も老いる。ずっと生きることはないのだね。