戦地より弟へ

コロナが落ち着きを見せているので、母がひとりで暮らす実家へ、子ども達を連れて帰省した。 リフォームをして、家がきれいになったとかで、母はご機嫌だった。 大量にあった本は、かなり処分して半分ほどになっていただろうか。 残してあった本の中に、父方…

一周忌

先週、 父の一周忌だった。 もう一年たったのか。父が亡くなった時は幼稚園児だった末っ子は、父のことを、あまりよく覚えていないらしい。そうかもね。いま、家中の片づけをしている。 いらない物を片っぱしから捨てまくる、断捨離のような感じだ。救急車の…

親って何

私の長男と次男は、私が産んだ子供ではない。子供が犠牲になる、痛ましい事件が起きるたび、実親か、義理親かがしばしば問題となり、やっぱり義理親かとか、実親なのに何故とか、そんな話をネットで見る。実の子と、義理の子は違う。私の感覚だと、オムツを…

長男二十歳の誕生日に三男の言葉をおもう

今日は長男の誕生日、ついに二十歳、成人になった。 なんだか夢みたいだ。 進学のために家を出て二年、あの甲高い声でニコニコおっとりと話をしていた長男はいなくなり、低い声で言葉少なく話す、でかい兄さんは今、学業にアルバイトにと忙しくも充実した日…

父と孫

父が亡くなって、もうずいぶんと経った。のかな? もうすぐ半年たつのだが、もう半年なのか、まだ半年なのか。 まだ何かの拍子に思い出して、涙がでる。 それを子どもに見られて、心配をかけてしまった。3年生になる息子が、家族の作文でおじいちゃんのこと…

全てが燃えて消える

父が亡くなった。 先月の24日のことだ。人が1人亡くなるというのは、大変なことなんだなあ。様々な手続きをせねばならず、葬儀なども滞りなく行われるように、そればかりを気にしていた気がする。子どもたちが飽きてしまうだろうな、久しぶりに会う遠い親戚…

もうすぐ父が死ぬ。

もうすぐ父が死ぬ。もう、何年も前から分かっていた事なのに、つらい。苦しみながら、弟の目を見つめ、まだ死ぬわけにはいかん!と言った父。継続鎮静を拒み、最後まで必死に呼吸を続けながら、かすれ声で、ごめんな、ごめんな、と言った父。父は声帯がない…